
1959年に誕生したOLYMPUS PEN。
2009年にはマイクロフォーサーズを採用した「OLYMPUS PEN E-P1」が登場し、小型で持ち歩きやすく、それでいてレンズ交換も楽しめるカメラとして長く親しまれてきました。
そして2026年、ついにPENの名前が「OM SYSTEM」へ移ります。
2026年10月下旬に発売予定の新しい「OM SYSTEM PEN」は、OM SYSTEMブランドとして初めてPENの名前を冠したミラーレスカメラです。公式サイトでも「OLYMPUS PENから、OM SYSTEM PENへ。」と表現されており、PENというシリーズの考え方そのものを次の世代へ引き継ぐモデルになっています。
ただし、今回のPENは単純にOLYMPUSロゴがOM SYSTEMへ変わっただけではありません。
電子ビューファインダーを搭載し、PENシリーズとして初めて防塵・防滴に対応。5軸手ぶれ補正も最大5.5段へ強化され、位相差AFや犬・猫に対応した被写体認識AFなども取り入れられています。これまでのPENらしいデザインや携帯性を残しながら、カメラとしての安心感と撮影性能を大きく高めたモデルです。
今回は、OLYMPUS PENからOM SYSTEM PENへ何が変わったのか、新しいPENはどんなカメラなのかを整理していきます。
- OM SYSTEM PENの基本スペック
- 「PENらしさ」は変わっていない
- OLYMPUS PEN E-P7から何が変わった?
- PENにファインダーが付いた意味はかなり大きい
- PENシリーズ初の防塵・防滴
- 最大5.5段の5軸手ぶれ補正も搭載
- AFもかなり本格的になった
- PENらしい「色を楽しむカメラ」でもある
- CPボタンでOM SYSTEMらしい撮影機能を使える
- 動画も撮れるが、主役はやはり写真だと思う
- ボディは14万円台。3種類の基本構成から選べる
- 価格はE-P7より上がったが、中身もかなり変わった
- OM SYSTEM PENはどんな人に向いている?
- OLYMPUS PENからOM SYSTEM PENへ。名前以上に大きな変化
- まとめ:PENはOM SYSTEMになってもPENだった
OM SYSTEM PENの基本スペック
まずは基本的な仕様を確認します。
| 項目 | OM SYSTEM PEN |
|---|---|
| センサー | 4/3型 Live MOS |
| 有効画素数 | 約2037万画素 |
| マウント | マイクロフォーサーズ |
| 画像処理エンジン | TruePic IX |
| AF | 位相差AF+コントラストAF |
| AFポイント | 121点 |
| 被写体認識 | 人物・犬・猫 |
| 手ぶれ補正 | ボディ内5軸 |
| 手ぶれ補正効果 | 中央最大5.5段 |
| EVF | 約236万ドット OLED |
| モニター | 3.0型バリアングル |
| 防塵・防滴 | 対応・IPX1 |
| 動画 | C4K 24p、4K 30pなど |
| 重量 | 約393g(バッテリー・カード含む) |
| カラー | シルバー・ブラック |
| 発売 | 2026年10月下旬 |
有効画素数は約2037万画素で、マイクロフォーサーズのLive MOSセンサーを採用しています。ボディサイズは約125.8×74.5×43.3mm、バッテリーとメモリーカードを含めても約393gです。
フルサイズミラーレスが当たり前になった現在でも、約400gに収まるレンズ交換式カメラには明確な魅力があります。旅行や街歩きではカメラ本体だけでなくレンズも持ち歩くことになるため、マイクロフォーサーズの小さなシステム全体が活きてきます。
「PENらしさ」は変わっていない

今回のOM SYSTEM PENを理解するうえで重要なのは、PENがもともと何を目指していたカメラなのかという部分です。
OM SYSTEMはPENシリーズについて、「紙と筆記具のペンのように、誰もが気軽に持ち歩き、撮影を楽しめるカメラ」という思想を紹介しています。1959年の初代OLYMPUS PENから、2009年のOLYMPUS PEN E-P1、そして2026年のOM SYSTEM PENまで、その考え方を受け継いでいます。
この部分は今回も大きく変わっていません。
性能競争だけを考えてボディを大型化するのではなく、「持ち歩きたくなること」をかなり重視しています。
カメラは家に置いておけば写真を撮れません。
どれだけ高性能でも、大きく重すぎて旅行へ持って行かなくなれば、その性能を使う機会そのものが減ってしまいます。
OM SYSTEM PENは、フルサイズ機のような最高画質を追い求めるというより、日常や旅行へ自然に持ち出して写真を撮ることを重視したカメラです。
OLYMPUS PEN E-P7から何が変わった?


直近のPENとして比較したいのが、2021年に発売されたOLYMPUS PEN E-P7です。
E-P7も約2030万画素のマイクロフォーサーズセンサーを搭載しており、小型軽量と写真表現を重視したPENらしいカメラでした。
しかし、新しいOM SYSTEM PENでは基本性能がかなり変わっています。
| 項目 | OM SYSTEM PEN | OLYMPUS PEN E-P7 |
|---|---|---|
| 有効画素数 | 約2037万画素 | 約2030万画素 |
| 画像処理エンジン | TruePic IX | TruePic VIII |
| AF | 位相差+コントラスト | コントラストAF |
| EVF | 約236万ドット | 非搭載 |
| 手ぶれ補正 | 最大5.5段 | 最大4.5段 |
| 防塵・防滴 | 対応 | 非対応 |
| モニター | バリアングル | チルト |
| 重量 | 約393g | 約337g |
| 発売 | 2026年 | 2021年 |
画素数そのものはほとんど変わっていません。
今回の進化は「2030万画素から大幅に高画素化しました」というものではなく、AF、ファインダー、手ぶれ補正、防塵・防滴といった、実際の撮影で使いやすさを左右する部分に重点が置かれています。
E-P7より約56g重くなっていますが、その代わりにEVFや防塵・防滴などが追加されています。
小型軽量だけを追求するPENから、「小さいけれど本格的に撮れるPEN」へ少し方向が変わったように感じます。
PENにファインダーが付いた意味はかなり大きい

個人的に今回かなり大きな変化だと思うのが、電子ビューファインダーの搭載です。
OM SYSTEM PENには約236万ドットのOLEDファインダーが搭載されています。E-P7にはEVFがなかったため、基本的には背面モニターを見ながら撮影するカメラでした。
背面モニター撮影はスマートフォンに近い感覚で使いやすい一方、強い日差しの中では画面が見えにくくなることがあります。
ファインダーがあれば周囲の明るさに影響されにくく、構図やピントへ集中できます。
旅行で風景を撮ったり、街中をスナップしたりする時にも使いやすくなります。
PENはデザイン重視のライトなカメラというイメージを持っている人もいると思いますが、今回のモデルはファインダーを覗きながらしっかり写真を撮るという、専用カメラらしい体験をかなり意識しています。
PENシリーズ初の防塵・防滴

もう一つ大きいのが防塵・防滴です。
新しいOM SYSTEM PENは、PENシリーズとして初めて防塵・防滴に対応しています。
防滴性能はIPX1。防塵・防滴性能を持つ対応レンズと組み合わせることで、急な雨や水辺などでも以前より安心して撮影できます。
旅行で使うカメラとして考えると、この違いはかなり重要です。
旅行の日だけ必ず晴れるわけではありません。
途中から雨が降ることもありますし、海や川の近くで撮影することもあります。
これまでのPENは小型で持ち歩きやすい反面、悪天候で積極的に使うようなイメージはあまりありませんでした。
今回、防塵・防滴が追加されたことで、「持ち歩きやすいから旅行に向いている」だけではなく、「旅行中のさまざまな環境で使いやすい」という方向へ一歩進んでいます。
最大5.5段の5軸手ぶれ補正も搭載

OM SYSTEM PENにはボディ内5軸手ぶれ補正が搭載されています。
補正効果は中央最大5.5段、周辺4.5段。E-P7は最大4.5段だったため、手ぶれ補正性能も強化されています。
マイクロフォーサーズはシステムを小型化しやすいため、旅行や街歩きでは小型レンズと組み合わせて手持ち撮影する機会が多くなります。
そんな時にボディ内手ぶれ補正があると、夕方や室内など光量が少ない場所でもシャッタースピードを落として撮りやすくなります。
三脚を持って行かなくても撮れる場面が増えるという意味で、PENの「軽快に持ち歩く」という方向性とも相性が良い機能です。
AFもかなり本格的になった
E-P7との違いとして見逃せないのがAFです。
OM SYSTEM PENでは121点のクロスタイプ位相差AFとコントラストAFを併用します。さらに人物に加えて犬・猫のAI被写体認識AFにも対応しています。
これは日常撮影でも使いやすい進化です。
旅行先の人物、家族、子ども、犬や猫など、PENで撮りそうな被写体をカメラ側が認識し、ピント合わせをサポートしてくれます。
PENはスポーツ撮影を最優先にしたプロ機ではありませんが、日常の中で急に動いた被写体を撮る場合でも、E-P7世代より扱いやすくなっています。
初心者にとってもAF性能は重要です。
自分でAFポイントを細かく動かさなくてもカメラ側が人物やペットを認識してくれれば、構図やシャッターチャンスへ集中しやすくなります。
PENらしい「色を楽しむカメラ」でもある
性能面は大きく強化されましたが、PENらしい写真表現もしっかり残されています。
OM SYSTEM PENではカラープロファイルとモノクロプロファイルを搭載し、写真の色やトーンをカメラ内で作り込めます。
カラープロファイルにはFilm Rich Color、Film Vivid、Film Soft Tone、Standardといったプリセットが用意され、モノクロ側にも複数のプリセットがあります。自分で調整した設定を保存することもできます。
最近はスマートフォンでもフィルターを使って簡単に色を変えられます。
ただ、OM SYSTEM PENでは撮影後に加工するだけではなく、撮影する時点で「今日はこの色で撮りたい」と考えながら写真を作れます。
これも専用カメラを使う楽しさの一つです。
さらに新しいプロファイルライブラリーでは、好みの写真からカラー/モノクロプロファイルの設定を読み取り、OI.Share経由でカメラへ転送することもできます。
SNSで好きな色を見つけ、それに近い雰囲気を自分のPENへ取り込んで撮影するという使い方もできるわけです。
CPボタンでOM SYSTEMらしい撮影機能を使える

OM SYSTEM PENでは「CPボタン」も搭載されています。
このボタンから、ハイレゾショット、ライブND、深度合成、HDR、多重露出などのコンピュテーショナル フォトグラフィ機能を呼び出せます。手持ちハイレゾショットでは約5000万画素の高解像写真も撮影可能です。
個人的には、この部分が「OLYMPUS PENからOM SYSTEM PENへ」を象徴しているように感じます。
従来のPENが持っていたデザインやカラー表現だけではなく、現在のOM SYSTEMが得意としているデジタル撮影機能も取り込んでいます。
ライブNDなら物理的なNDフィルターを用意しなくても水の流れを表現できますし、深度合成なら複数の写真を利用してピントの合う範囲を広げられます。
小型のPENだから機能もシンプル、というわけではありません。
動画も撮れるが、主役はやはり写真だと思う
OM SYSTEM PENはC4K 24pや4K 30pに対応し、縦位置動画も記録できます。バリアングルモニターを採用しているため、自分撮りや縦動画も行いやすくなっています。
SNS用動画を撮影するカメラとしても使えます。
ただ、現在は4K60pや高度な動画機能を搭載するミラーレスも増えています。
そのため、OM SYSTEM PENを本格的な動画制作だけを目的に選ぶというより、写真を中心に楽しみながら旅行先では動画も残すという使い方の方が、このカメラには合っていると思います。
ファインダー、カラー/モノクロプロファイル、CPボタンなどを見ても、やはり「写真を撮ること自体を楽しむ」という思想がかなり強いカメラです。
ボディは14万円台。3種類の基本構成から選べる
OM SYSTEM STOREでの販売価格は、ボディ単体が148,500円です。
14-42mm F3.5-5.6 IIIレンズキットは165,000円、14-42mmと40-150mmを組み合わせたダブルズームキットは176,000円となっています。いずれも2026年10月下旬発売予定です。
| 構成 | OM SYSTEM STORE価格 |
|---|---|
| PEN ボディー | 148,500円 |
| 14-42mm F3.5-5.6 III レンズキット | 165,000円 |
| ダブルズームキット | 176,000円 |
初めてレンズ交換式カメラを購入するのであれば、14-42mmレンズキットが分かりやすいです。
35mm判換算で28-84mm相当をカバーできるため、旅行、料理、人物、日常撮影など幅広く使えます。
運動会や旅行先で遠くの被写体まで撮りたい場合は、40-150mmまで付属するダブルズームキットの方が使いやすいでしょう。
価格はE-P7より上がったが、中身もかなり変わった
OLYMPUS PEN E-P7のOM SYSTEM STORE価格はボディ118,800円でした。新しいPENは148,500円なので、単純な後継として見ると価格は上がっています。
ただし、今回のPENはファインダー、防塵・防滴、強化された5軸手ぶれ補正、位相差AF、被写体認識、CPボタンなどが追加されています。
そのため、E-P7をそのままOM SYSTEMブランドへ変更して価格だけ上げたモデルではありません。
むしろこれまでのPENとOM SYSTEMの中級機の間を埋めるような性格になっています。
それでもボディ約15万円という価格をどう考えるかはポイントになりそうです。
純粋なスペックだけを比較すれば、APS-C機なども競合に入ってきます。
OM SYSTEM PENはセンサーサイズや画素数だけで選ぶカメラではなく、小型軽量、防塵・防滴、手ぶれ補正、デザイン、色表現などをまとめて評価した方が分かりやすいです。
OM SYSTEM PENはどんな人に向いている?
このカメラが特に合いそうなのは、「スマートフォンより本格的に写真を撮りたいけれど、大きなミラーレスは持ち歩きたくない」という人です。
旅行へ持って行くカメラとしても相性が良いと思います。
約393gのボディに小型のM.ZUIKOレンズを組み合わせれば、フルサイズミラーレス+大口径ズームよりかなり軽量なシステムを作れます。
さらにEVFや防塵・防滴が追加されたことで、「小さいから持って行く」だけではなく、「旅先でもしっかり使える」という安心感も増しました。
カメラの色にもこだわりたい人にも面白いモデルです。
カラープロファイルやモノクロプロファイルを使えば、RAW現像をしなくても撮影時から自分らしい雰囲気を作れます。
逆に、高速スポーツを本格的に撮りたい人や、フルサイズならではの大きな背景ボケ、高感度性能を最優先する人は、別のカメラも比較した方がいいでしょう。
PENはすべての性能でトップを目指したカメラではありません。
「持ち歩く」「撮る」「色を作る」という体験を重視したカメラです。
OLYMPUS PENからOM SYSTEM PENへ。名前以上に大きな変化
今回のOM SYSTEM PENは、シリーズにとって一つの大きな節目になるカメラです。
1959年のOLYMPUS PEN、2009年のOLYMPUS PEN E-P1を経て、2026年からはOM SYSTEM PENへ。
ブランド名は変わります。
しかし「気軽に持ち歩いて、写真をもっと楽しんでもらいたい」というPENの根本的な思想は変わっていません。
むしろ今回のモデルでは、その思想を現在のカメラとして成立させるために、EVF、防塵・防滴、強力な手ぶれ補正、被写体認識AF、コンピュテーショナル フォトグラフィなどが追加されています。
昔のPENが「いつでも持ち歩けるカメラ」を目指したのであれば、新しいOM SYSTEM PENは「いつでも持ち歩けて、撮りたい時にはしっかり撮れるカメラ」を目指しているように感じます。
まとめ:PENはOM SYSTEMになってもPENだった
新しいOM SYSTEM PENは、OLYMPUS PENの名前だけを変更したモデルではありません。
約2037万画素のマイクロフォーサーズセンサーを採用しながら、約236万ドットEVF、位相差AF、人物・犬・猫の認識、最大5.5段の5軸手ぶれ補正、PENシリーズ初の防塵・防滴など、基本性能が大きく強化されました。
一方で、PENが長く大切にしてきた小型軽量、持ち歩きやすいデザイン、自分らしい色を楽しむという部分は残されています。
高画素化やフルサイズ化を追いかけるのではなく、約2000万画素のマイクロフォーサーズを使いながら、毎日持ち歩けるサイズと写真を撮る楽しさを優先する。
この方向性は現在ではむしろ個性的です。
スマートフォンよりもう少し写真を楽しみたい。でも大型のカメラやレンズを毎日持ち歩くのは難しい。
そんな人にとって、OM SYSTEM PENはかなり分かりやすい選択肢になりそうです。
OLYMPUS PENから、OM SYSTEM PENへ。
ロゴやブランドは変わっても、「カメラをもっと身近なものにする」というPENの考え方は、2026年の新しいモデルにも受け継がれています。
本記事の製品仕様、発売時期、価格などはOM SYSTEM公式サイトおよびOM SYSTEM STOREの情報を参照しています。
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