【カメラ豆知識No.12】焦点距離とは?24mm・35mm・50mm・85mmで写真はどう変わる?

カメラ豆知識

ミラーレスカメラのレンズを調べていると、「24mm」「35mm」「50mm」「85mm」など、さまざまな数字が登場します。これらはレンズの焦点距離を表していますが、数字が変わることで写真の写り方がどのように変化するのか、分かりにくいと感じる人もいるのではないでしょうか。

例えば、同じ人物を撮影する場合でも、24mmでは周囲の風景を広く写し込みやすく、85mmでは人物を大きく捉えながら背景を整理しやすくなります。また、35mmと50mmではそれほど大きな差がないように感じるかもしれませんが、実際に撮影してみると、写真に写る背景の広さや被写体との距離感に違いが生まれます。

焦点距離は単に遠くのものを大きく写すためだけの数字ではありません。写真の構図や遠近感、背景の見え方、被写体との距離などにも関係する、レンズ選びで非常に重要な要素です。

今回は、レンズの焦点距離とは何なのかを整理しながら、24mm・35mm・50mm・85mmの4つを中心に、どのような写真が撮れるのか、どのような撮影に向いているのかを詳しく解説します。

  1. 焦点距離とは?数字が変わると写真の写る範囲が変わる
  2. 広角・標準・望遠レンズの違い
  3. 24mm|広い風景や室内を一枚に収めやすい広角レンズ
    1. 24mmの特徴
    2. 24mmでは遠近感を強調した写真も撮れる
    3. 24mmで人物を撮影する際の注意点
  4. 35mm|日常の風景と人物をバランスよく写せる
    1. 35mmの特徴
    2. 35mmは日常の記録と相性がいい
    3. 35mmでも背景をぼかすことはできる
  5. 50mm|標準レンズとして幅広い撮影に使いやすい
    1. 50mmの特徴
    2. 50mmは被写体を主役にしやすい
    3. 50mmは初めての単焦点レンズにも向いている
  6. 85mm|人物を印象的に写しやすい中望遠レンズ
    1. 85mmの特徴
    2. 85mmは背景を大きく写しやすい
    3. 85mmは狭い場所では使いにくいこともある
  7. 24mm・35mm・50mm・85mmを比較すると何が違う?
  8. 同じ位置から撮影すると焦点距離によって被写体の大きさが変わる
  9. 被写体を同じ大きさで撮影すると写真の印象が大きく変わる
  10. 焦点距離が長いほど背景はボケる?
  11. APS-Cカメラでは同じ焦点距離でも写る範囲が変わる
  12. APS-Cで24mm・35mm・50mm・85mm相当の写真を撮るには?
  13. 初めての単焦点レンズなら35mmと50mmのどちらがいい?
  14. 24-70mmのズームレンズがあれば違いを体験できる
  15. 撮影目的別|どの焦点距離を選べばいい?
  16. 焦点距離を変えるだけで写真が上手くなるわけではない
  17. よくある疑問
    1. 50mmが人間の目に近いというのは本当?
    2. 85mmは人物撮影専用なの?
    3. 24mmは人物撮影に向かない?
    4. 35mmと50mmではどちらが背景をぼかせる?
    5. 焦点距離が長いほど画質が良くなる?
  18. まとめ|焦点距離は写真の構図や印象を変える重要な要素

焦点距離とは?数字が変わると写真の写る範囲が変わる

焦点距離とは、レンズの光学的な中心に相当する主点から、ピントを合わせた像が結ばれる面までの距離を表す数値です。一般的には無限遠にピントを合わせたときの値で示され、単位にはmm(ミリメートル)が使われます。

少し難しく感じるかもしれませんが、写真を撮影するうえでは「焦点距離によって写る範囲が変わる」と理解しておけば十分です。焦点距離が短いほど広い範囲が写り、焦点距離が長いほど写る範囲は狭くなります。

焦点距離写る範囲被写体の大きさ
24mm広い小さく写る
35mmやや広いやや小さく写る
50mm標準的中間
85mm狭い大きく写る

※同じセンサーサイズのカメラで、同じ位置から撮影した場合の比較です。

例えば、同じ位置から人物を撮影した場合、24mmでは人物の周囲にある建物や風景まで広く写ります。一方、85mmでは写る範囲が狭くなるため、人物が大きく写り、背景として写る範囲も限定されます。つまり、焦点距離を変えることで、同じ場所からでも写真の構図を大きく変えることができます。

広角・標準・望遠レンズの違い

レンズは焦点距離によって、広角・標準・望遠と呼び分けられています。一般的なフルサイズカメラでは、24mmや35mmは広角、50mm前後は標準、85mmは中望遠として扱われることが多くなっています。ただし、これらの分類には厳密な境界があるわけではありません。

焦点距離の例一般的な分類主な用途
14〜20mm超広角星空・建築・広大な風景
24mm広角風景・旅行・室内
35mm広角スナップ・日常・人物
50mm標準人物・商品・日常
85mm中望遠ポートレート・人物
135mm望遠ポートレート・イベント
200mm以上望遠〜超望遠スポーツ・野鳥・飛行機

※フルサイズ換算の焦点距離による目安です。

広角レンズでは、被写体と背景を一緒に写しやすくなります。一方、望遠レンズでは背景の一部分を切り取るような構図を作りやすくなります。この違いを理解すると、レンズを選ぶときに「何mmが必要なのか」を考えやすくなります。

24mm|広い風景や室内を一枚に収めやすい広角レンズ

24mmは、フルサイズカメラでは代表的な広角の焦点距離です。広い範囲を一度に写せることが特徴で、風景、旅行、建築、室内撮影など、さまざまな場面で活躍します。

例えば旅行先で大きな建物を撮影する場合、50mmでは建物全体を写すためにかなり後ろへ下がらなければならないことがあります。しかし24mmであれば、比較的近い位置からでも建物全体を画面に収めやすくなります。また、室内で家族や友人を撮影する場合にも便利で、壁があって後ろへ下がれない場所でも複数人を一枚の写真に収めやすくなります。

24mmの特徴

項目特徴
分類広角
写る範囲広い
得意な撮影風景・建築・室内・旅行
写真の印象開放感・広がり
注意点近距離の人物撮影では遠近感が強く出やすい

24mmでは遠近感を強調した写真も撮れる

24mmの特徴を活かせるのが、奥行きのある風景撮影です。例えば、手前に花を大きく配置し、奥に山や空を入れることで、写真に広がりを持たせることができます。

広角レンズでは被写体に近づきながら周囲の風景も収めやすいため、手前と奥の大きさの差を強調した構図を作れます。ただし、この遠近感は焦点距離そのものだけで決まるわけではなく、カメラと被写体の距離が近くなることによって強調されます。

24mmで人物を撮影する際の注意点

24mmでも人物撮影はできますが、顔に近づいて撮影すると、鼻などカメラに近い部分が大きく写りやすくなります。また、画面の端ではレンズの歪曲収差や投影方式によって、人物が引き伸ばされたように見える場合もあります。

そのため、顔を大きく写すポートレートでは注意が必要です。一方、人物と周囲の風景を一緒に写す旅行写真や、環境を含めたポートレートでは24mmが活躍します。24mmは、被写体だけでなく、その場の雰囲気まで写真に残したい人に向いている焦点距離です。

35mm|日常の風景と人物をバランスよく写せる

35mmは、広角レンズに分類されながらも、24mmほど広すぎないことが特徴です。人物を中心にしながら、周囲の風景もある程度写し込めるため、日常のスナップや旅行、街歩きなどで使いやすい焦点距離です。

例えば、カフェでテーブルの上に置かれた料理を撮影したり、街中で人物と建物を一緒に撮影したりする場面に向いています。24mmでは周囲の情報が多く入りすぎる場合でも、35mmなら必要な背景を残しながら主役を整理しやすくなります。

35mmの特徴

項目特徴
分類広角
写る範囲やや広い
得意な撮影スナップ・旅行・人物・日常
写真の印象自然な距離感・臨場感
注意点遠くの被写体を大きく写すのは苦手

35mmは日常の記録と相性がいい

例えば旅行先で友人を撮影する場合、人物だけでなく、後ろにある街並みやお店の雰囲気も写真に残したいことがあります。35mmであれば、人物を主役にしながら、その場の背景も適度に写し込めます。

また、街歩きのスナップ撮影にも適しています。看板、建物、道を歩く人、カフェなど、日常のさまざまな場面を一つの焦点距離で撮影しやすいことが魅力です。

35mmでも背景をぼかすことはできる

広角レンズは背景がボケにくいと思われることがありますが、35mmでも背景をぼかした写真を撮影できます。例えば35mm F1.4やF1.8などの明るい単焦点レンズを使用し、被写体へ近づいて撮影すれば、背景を大きくぼかせます。

ただし、同じ位置から同じF値で撮影する場合、50mmや85mmの方が被写体を大きく写せるため、背景の見え方にも違いが生まれます。35mmは、人物だけを大きく切り取るよりも、人物と周囲の空間を一緒に表現したい撮影に向いています。

50mm|標準レンズとして幅広い撮影に使いやすい

50mmは、フルサイズカメラでは標準的な焦点距離として知られています。広角すぎず、望遠すぎない画角が特徴で、人物、日常、商品、スナップなど幅広い撮影に対応できます。

一般的に50mm前後の画角は人間の視野に近いと説明されることがあります。ただし、人間の視野は周辺視野を含めると非常に広いため、50mmが人間の見ている範囲と完全に一致するわけではありません。写真として見たときに、極端な広角感や望遠感が少なく、自然な印象を作りやすい焦点距離と考えると分かりやすいでしょう。

50mmの特徴

項目特徴
分類標準
写る範囲標準的
得意な撮影人物・商品・日常・スナップ
写真の印象自然・主役を整理しやすい
注意点狭い室内では画角が足りないことがある

50mmは被写体を主役にしやすい

35mmでは人物の周囲にある背景も広めに写りますが、50mmになると背景の写る範囲が狭くなります。そのため、被写体を中心にした写真を撮影しやすくなります。

例えば、カフェで料理や飲み物を撮影するとき、35mmではテーブルの周囲も写りやすい一方、50mmでは料理を中心とした構図を作りやすくなります。また、人物を撮影する場合も、適度に距離を取ることで自然な顔のバランスを保ちやすくなります。

50mmは初めての単焦点レンズにも向いている

50mmにはF1.8などの比較的明るい単焦点レンズが多く、背景をぼかした写真を楽しみやすいことも特徴です。ズームレンズから初めて単焦点レンズへ買い替える場合、50mmは候補になりやすい焦点距離です。

ただし、旅行先で大きな建物を撮影したい場合や、室内で複数人を撮影したい場合には、50mmでは画角が狭いと感じることがあります。50mmは万能というよりも、被写体を中心にした写真を撮影したい人に使いやすい焦点距離です。

85mm|人物を印象的に写しやすい中望遠レンズ

85mmは、ポートレート撮影で人気のある中望遠の焦点距離です。35mmや50mmと比較して画角が狭いため、人物を大きく捉えながら背景を整理しやすいことが特徴です。

また、人物から適度に距離を取って撮影しやすいため、顔のパーツの遠近による大きさの差を抑えた写真を撮影しやすくなります。例えば、人物のバストアップや顔を中心にしたポートレートでは、85mmが使いやすい場面があります。

85mmの特徴

項目特徴
分類中望遠
写る範囲狭い
得意な撮影ポートレート・人物・イベント
写真の印象主役が際立つ・背景を整理しやすい
注意点撮影にはある程度の距離が必要

85mmは背景を大きく写しやすい

85mmで人物を撮影すると、背景として写る範囲が狭くなります。また、人物が同じ大きさになるように35mmより離れて撮影すると、背景のものが相対的に大きく見え、人物との距離が近くなったような印象を作ることができます。

このような見え方は一般的に「圧縮効果」と呼ばれています。ただし、厳密にはレンズが背景を物理的に圧縮しているわけではなく、撮影距離による遠近感の変化が写真の印象に大きく関係しています。

85mmは狭い場所では使いにくいこともある

85mmは人物撮影に向いていますが、すべての場面で便利というわけではありません。例えば、狭い室内で複数人を撮影する場合、全員を画面に収めるために十分な距離が取れないことがあります。

また、旅行先で建物や周囲の風景を一緒に写したい場合にも、画角が狭いと感じるでしょう。85mmは日常のすべてを一本で撮影するよりも、人物や特定の被写体を印象的に写したい人に向いています。

24mm・35mm・50mm・85mmを比較すると何が違う?

ここまで4つの焦点距離を紹介しましたが、実際にどのような違いがあるのでしょうか。それぞれを比較してみます。

比較項目24mm35mm50mm85mm
分類広角広角標準中望遠
写る範囲広いやや広い中間狭い
風景撮影得意得意部分的な切り取り一部を切り取る
日常スナップ得意非常に得意得意やや限定的
人物撮影背景込み背景込み人物中心ポートレート
室内撮影得意比較的得意距離が必要広い空間が必要
背景の整理苦手になりやすい中間しやすい非常にしやすい

※フルサイズカメラを使用した場合の一般的な傾向です。

大まかに整理すると、24mmはその場所全体を記録したいとき、35mmは日常の場面を自然に切り取りたいとき、50mmは被写体を主役にしたいとき、85mmは人物を印象的に写したいときに向いています。ただし、同じ焦点距離でも、撮影距離やF値、構図によって写真の印象は変わります。

同じ位置から撮影すると焦点距離によって被写体の大きさが変わる

焦点距離の違いを理解するうえで、まず重要なのが「同じ位置から撮影した場合」です。

例えば、カメラを三脚に固定して、同じ人物を24mm・35mm・50mm・85mmで撮影するとします。この場合、カメラと人物の距離は変わりません。

24mmでは人物が小さく写り、周囲の背景まで広く写ります。35mmでは人物が少し大きくなり、背景として写る範囲が狭くなります。50mmではさらに人物が大きくなり、85mmでは人物を大きく捉えられます。

しかし、撮影位置が同じであれば、遠近感そのものは基本的に変わりません。

例えば、同じ位置から24mmで撮影した写真の中央部分を切り抜き、85mmと同じ画角に近づけた場合、遠近感は基本的に同じになります。ただし、トリミングでは記録できる画素数が減るため、解像度には違いが生まれます。また、レンズごとの歪曲収差などによって細かな見え方が異なる場合もあります。

つまり、焦点距離は画角を変えますが、撮影位置を変えなければ遠近感まで自動的に変わるわけではありません。

被写体を同じ大きさで撮影すると写真の印象が大きく変わる

もう一つ重要なのが、「被写体を同じ大きさで撮影する場合」です。

例えば、同じ人物の上半身が画面いっぱいになるように撮影するとします。24mmでは人物にかなり近づく必要がありますが、35mmでは少し離れ、50mmではさらに距離を取り、85mmではもっと離れて撮影する必要があります。

このように、被写体を同じ大きさに写すためにカメラと被写体の距離を変えると、遠近感も変化します。

焦点距離同じ大きさで写すための撮影位置背景の見え方
24mm近い広く入り、遠近感が強調されやすい
35mmやや近い周囲の状況も残しやすい
50mm中間主役と背景のバランスを取りやすい
85mm遠い背景の範囲が狭く、圧縮されたように見える

例えば、24mmでは人物の後ろにある建物が比較的小さく見え、周囲の空間が広く感じられる写真になりやすくなります。一方、85mmでは撮影者が人物から離れるため、背景の建物が相対的に大きく見え、人物と背景の距離が近く感じられることがあります。

これは焦点距離だけの効果ではなく、撮影距離が変わったことによる遠近感の違いです。この仕組みを理解しておくと、レンズを変えることで写真の印象を意図的に調整しやすくなります。

焦点距離が長いほど背景はボケる?

焦点距離と背景のボケについても、よく疑問に感じる部分ではないでしょうか。

一般的に、同じ撮影距離とF値で比較した場合、焦点距離が長いほど被写界深度が浅くなり、背景がボケやすくなります。しかし、背景のボケは焦点距離だけで決まるわけではありません。

主に次の要素が関係しています。

  • レンズのF値
  • レンズの焦点距離
  • カメラと被写体の距離
  • 被写体と背景の距離
  • センサーサイズや写真の表示条件

例えば、85mm F1.8で人物を撮影すると、背景が大きくボケたポートレートを撮影しやすくなります。一方、35mm F1.4でも、被写体へ近づいて背景との距離を十分に取れば、大きなボケを作ることができます。

また、人物の大きさを同じにするために望遠側では離れて撮影すると、被写界深度の差が小さくなる場合があります。そのため、単純に「85mmは35mmより必ずボケる」と考えるのは正確ではありません。

ただし、85mmは背景として写る範囲が狭く、ボケが大きく見えやすいこともあり、人物を背景から際立たせた写真を作りやすい焦点距離です。

APS-Cカメラでは同じ焦点距離でも写る範囲が変わる

ここまで紹介した24mm・35mm・50mm・85mmの特徴は、フルサイズカメラを基準にしたものです。しかし、SONY α6700やα6400などのAPS-Cカメラでは、同じレンズを使用しても写る範囲が変わります。

SONYのAPS-Cカメラでは、フルサイズ換算で約1.5倍の画角になります。

レンズの焦点距離フルサイズでの画角SONY APS-Cでの画角
24mm24mm相当36mm相当
35mm35mm相当52.5mm相当
50mm50mm相当75mm相当
85mm85mm相当127.5mm相当

例えば、フルサイズカメラで35mmのレンズを使用すると広角寄りの写真を撮影できますが、APS-Cカメラでは約52.5mm相当となり、標準レンズに近い画角になります。また、85mmをAPS-Cカメラへ装着すると約127.5mm相当の画角になるため、人物のバストアップなどでは、フルサイズよりも長い撮影距離が必要になる場合があります。

ここで注意したいのは、APS-Cカメラに装着したからといって、レンズの焦点距離自体が変わるわけではないことです。50mmのレンズはAPS-Cでも50mmのままで、変わるのはセンサーが記録する範囲です。

APS-Cで24mm・35mm・50mm・85mm相当の写真を撮るには?

APS-Cカメラでフルサイズの24mm・35mm・50mm・85mmに近い画角を得たい場合、どの焦点距離を選べばよいのでしょうか。

SONYのAPS-Cでは、目的のフルサイズ換算焦点距離を1.5で割ることで、おおよその焦点距離を求められます。

欲しい画角APS-Cで必要な焦点距離の目安
24mm相当16mm
35mm相当約23〜24mm
50mm相当約33〜35mm
85mm相当約56〜57mm

例えば、フルサイズの35mmと同じような画角でスナップ撮影を楽しみたい場合、APS-Cでは23mm前後のレンズが候補になります。また、50mm相当の標準画角を得たい場合は、APS-C用の35mmレンズなどが使いやすくなります。

ただし、画角が同じであっても、センサーサイズやF値、撮影距離などによって背景のボケ方は変わります。画角換算とボケ量の違いは、分けて考えることが重要です。

初めての単焦点レンズなら35mmと50mmのどちらがいい?

初めて単焦点レンズを購入する場合、35mmと50mmで迷う人も多いと思います。どちらも幅広い撮影に使えますが、実際の使い勝手には違いがあります。

35mmは背景を含めた写真を撮影しやすく、旅行や街歩き、日常スナップに向いています。一方、50mmは主役となる被写体を整理しやすく、人物や商品などを中心とした写真に向いています。

比較項目35mm50mm
主な用途スナップ・旅行・日常人物・商品・日常
背景の広さ広め狭め
室内での使いやすさ比較的使いやすい距離が必要なことがある
人物と風景の両立得意やや背景を整理しやすい
主役の切り取り中間得意

例えば、旅行中に景色や建物、人物、料理などを幅広く撮影したいのであれば、35mmが便利に感じられるでしょう。一方、人物や商品を中心に撮影したいのであれば、50mmの方が好みに合う場合があります。

どちらが優れているというよりも、どのくらい背景を写したいかによって選ぶのがおすすめです。すでにズームレンズを持っている場合は、35mmと50mmに固定して撮り比べることで、自分が使いやすい焦点距離を確認できます。

24-70mmのズームレンズがあれば違いを体験できる

焦点距離の違いを理解するために、必ずしも単焦点レンズを購入する必要はありません。

例えば、24-70mmや24-105mmなどのズームレンズを持っている場合、一本のレンズで24mm・35mm・50mmを試すことができます。24-105mmであれば85mmも含めて比較できます。

まずは同じ位置から撮影し、焦点距離によって写る範囲がどのように変わるのかを確認します。次に、被写体が同じ大きさになるように撮影距離を変えて比較すると、背景の見え方や遠近感の違いを理解しやすくなります。

この2つの撮り比べをするだけでも、焦点距離が写真に与える影響を実感できるはずです。

ただし、近距離ではレンズによって実際の画角が公称焦点距離から想像するものと異なる場合があります。これはピント位置による画角変動など、レンズの光学設計も関係するためです。

最初は細かな数値の違いよりも、焦点距離によって構図がどのように変わるのかを意識してみるとよいでしょう。

撮影目的別|どの焦点距離を選べばいい?

24mm・35mm・50mm・85mmの特徴を踏まえて、撮影目的別に候補となる焦点距離を整理しました。

撮影ジャンル候補となる焦点距離理由
風景・観光地24mm・35mm広い範囲を写せる
建物・室内24mm後ろに下がれない場所でも撮影しやすい
旅行スナップ35mm人物と背景のバランスがよい
日常の記録35mm・50mm自然な構図を作りやすい
料理・商品35mm・50mm被写体を整理しやすい
人物と風景24mm・35mm周囲の雰囲気を残せる
人物のポートレート50mm・85mm人物を中心に写しやすい
顔や上半身の撮影85mm適度な距離から撮影しやすい

この表はあくまで一般的な目安です。例えば風景撮影でも85mmを使用して山の一部分を切り取ることがありますし、人物撮影でも24mmを使用して周囲の風景を大きく取り入れることがあります。

焦点距離によって撮影できるジャンルが決まるわけではありません。どのような構図で撮影したいのかによって、適した焦点距離が変わります。

焦点距離を変えるだけで写真が上手くなるわけではない

焦点距離は写真の印象を大きく変える要素ですが、長い焦点距離を使えば写真が上手くなるというわけではありません。

例えば85mmは背景を整理したポートレートに向いていますが、撮影距離が取れない室内では使いにくいことがあります。一方、24mmは広い範囲を写せますが、背景に余計なものが入りやすく、構図を整理するのが難しい場合もあります。

また、写真の仕上がりにはF値やシャッタースピード、光の向き、構図なども関係します。特に焦点距離を変えたときは、被写体との距離が適切かどうかも確認したいところです。

広角で被写体へ近づけば遠近感を強調できますが、人物の顔を自然に写したい場合は、近づきすぎない方がよいこともあります。反対に望遠側では、背景を大きく取り入れたような写真を作れますが、十分な撮影距離を確保する必要があります。

焦点距離だけを変えるのではなく、撮影位置まで含めて考えることが重要です。

よくある疑問

50mmが人間の目に近いというのは本当?

50mm前後は、フルサイズカメラでは標準レンズと呼ばれています。ただし、人間の視野と完全に同じという意味ではありません。人間の視野は周辺まで含めると広いため、50mmは写真として見たときに極端な広角感や望遠感が少ない、標準的な画角と考えると分かりやすいでしょう。

85mmは人物撮影専用なの?

人物撮影以外にも使用できます。例えば、風景の一部分を切り取ったり、花や植物などを撮影したりすることも可能です。ただし、狭い場所では撮影距離を確保しにくいため、24mmや35mmの方が便利な場合があります。

24mmは人物撮影に向かない?

人物撮影にも使用できます。特に人物と周囲の風景を一緒に残す撮影では便利です。ただし、顔に近づきすぎると遠近感が強調され、鼻などが大きく見える場合があります。顔を自然な比率で撮影したい場合は、撮影距離に注意するとよいでしょう。

35mmと50mmではどちらが背景をぼかせる?

同じ撮影距離とF値であれば、50mmの方が被写界深度は浅くなります。ただし、実際の背景のボケ方はF値や撮影距離、背景までの距離などによっても変わります。35mmでもF1.4やF1.8などの明るいレンズを使用すれば、背景を大きくぼかした写真を撮影できます。

焦点距離が長いほど画質が良くなる?

焦点距離の長さと画質の良さは直接的な関係ではありません。画質はレンズの光学設計、収差の補正、絞り、センサー性能などにも左右されます。24mmだから画質が悪い、85mmだから画質が良いというわけではありません。

まとめ|焦点距離は写真の構図や印象を変える重要な要素

レンズの焦点距離は、写真に写る範囲を決める重要な数値です。焦点距離が短いほど広い範囲を写せる一方、焦点距離が長いほど狭い範囲を大きく写せます。

今回紹介した4つの焦点距離を簡単に整理すると、次のようになります。

焦点距離一言で表すなら
24mm広い風景や空間を写す
35mm日常の風景を自然に切り取る
50mm被写体を主役にする
85mm人物を印象的に写す

24mmは広い風景や室内撮影に向いており、35mmは旅行や日常のスナップ撮影で使いやすい焦点距離です。50mmは標準的な画角で被写体を中心にした写真を撮影しやすく、85mmは人物を大きく捉えながら背景を整理したい場面で活躍します。

また、焦点距離が写真の遠近感を直接変えるわけではないことも重要です。同じ位置から撮影する場合は焦点距離によって画角が変わりますが、被写体を同じ大きさに写すために撮影距離を変えると、遠近感や背景の見え方も変わります。

個人的に焦点距離を理解するうえでおすすめしたいのは、ズームレンズを使って同じ被写体を24mm・35mm・50mm・85mmで撮り比べてみることです。実際に比較すると、同じ場所でも焦点距離によって写真の印象が大きく変わることが分かります。

レンズ選びでは画素数やF値、価格に目が向きがちですが、自分がどのような画角で写真を撮りたいのかを考えることも大切です。これから単焦点レンズやズームレンズを購入する人は、まず焦点距離による写り方の違いを理解し、自分の撮影スタイルに合ったレンズを探してみてはいかがでしょうか。

コメント

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました